真宮のスマホに1本の電話。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.152.

ドキドキ 料理を作りながらの詠一、
「はい。桜道~~。天ぷら盛り合わせ~~。上がったよ~~。」

店員たち、
「は~~~い。」

その時詠一、
「有紀(ゆき)ちゃん、どぉ…???ジョエル…。」

有紀(ゆき)と呼ばれた店員、
「えぇ。賑やかになってます。」

その声に詠一、嬉しそうに、
「そぅ~~~。うん。ありがと。分かった。」

「5番テーブル~~。鉄板一口ギョウザ~~2つ~~、入りました~~。」
舞華。

料理人たち、
「は~~い。」

真宮と小埜瀬が合流してから凡そ30分ほど経過。
真宮のスマホに1本の電話。

真宮、池辺に、
「すまん。社長からだ。」

池辺、
「あん。うんうんうん。」

部屋から出ての真宮、スマホに…。
「もしもし。お疲れ様です。真宮です。」

食事を終了して、賀寿恵とコーヒーを飲んでいる麗子。
「あん、私~~。七瀬です。どぉ…???歓迎会。楽しんでる…???」

その声に真宮、
「あ、はい。充分に、はい。楽しんでおります。」

麗子、
「うんうんうん。そぉ~~。んじゃ良かった~~。特に…、変わった事はないわね~~。」

真宮、その、「特に…、変わった事はないわね~~。」の声に、僅かに躊躇して、
「え、え~~。まぁ~~。その~~。はははは。」
頭の中で…、
「…多分…、小埜瀬君の顔の傷…。」

すぐさまスマホから、
「なによ。その…、え、え~~。まぁ~~。その~~。はははは。っての…。」

いきなり真宮、右目を瞑って。
「え、え~~。…あの…。…そのですね。…ちょっと…、した…、アクシデントがありまして。」

「アクシデント…???何よ、それ。」
麗子、思わず口を尖らせて賀寿恵を見る。

賀寿恵、そんな麗子に顔を傾げて…。

真宮、仕方なく、スマホに…。



真宮の話の途中から麗子、
「え―――――――っ!!!地下鉄の階段から転がり落ちた―――――っ!!!」

賀寿恵、その声に、いきなり飲んでいるコーヒーを、
「んっ。」

麗子、またまた、
「どういう事、それ――――っ!!!」
そして麗子、真宮から詳しく状況を聞く。
「うんうん。う~~わっ。え~~~~???…そういう事~~~、なんて事~~。」
賀寿恵に、
「隆英、倒れて来た女性を抱きしめながら階段から転がり落ちたんだって。」

賀寿恵、思わず口を噤んで、そして、
「うそ―――――――っ!!!」

麗子、スマホに、
「…で…???」
真宮の話に、
「うんうんうん。へぇ~~。そぅ~~。…うん。…で…。…うんうんうん。へぇ~~。」
賀寿恵に、
「隆英も結構傷だらけに。」

賀寿恵、
「あらららら~~。でも…。まっ。確かに。階段から落ちて…。」

麗子、
「うんうん。なるほど。うん。」
そのまま反芻するように。
「体は何ともない。骨折もなし。ただ、体のあちこちをガーゼで保護。うん。」

賀寿恵、コーヒーを飲みながら、
「何とも。」

麗子、
「うんうん分かった。…で…???歓迎会。」

真宮、
「はい。あれから合流して…。はい。楽しくやってます。」

麗子、
「うん。そぅ。じゃ、みんなによろしく。楽しんでって。」

スマホから、
「了解しました~~。」

「うん。じゃあ~、切るよ。」
通話は切れる。

真宮、目を丸く、
「ふぅ~~~。いやいやいや。」
そして…、部屋に戻ろうと体を…。その時、ひとりの女性と…。

真宮、
「あっと。…すみませ…。」

その女性も、
「あ。ごめんな…。」

瞬間、ふたりの目が…合う。

真宮、その女性を見て、
「えっ…???」

その女性も男性を見て、
「えっ…???」

真宮、
「梶…社長…???」

梶も、
「ジョエル。真宮部長…。」

真宮、すぐさま、笑顔で、
「これは、これは…。ははははは。何とも…、偶然。」

梶も笑顔で、
「え~~、え~~。あら…。真宮部長…。」
あちらこちらに目を…。
「おひとり…???」

瞬間、真宮、
「あ、いや…。ははははは。」
こちらも目をあちらこちらに。
「実は…、今日、ウチの…。歓迎会…と、いう奴でして。」
これから入る部屋に目を…。

梶、その目の向こうを…。
「あ、あ~~~。そうでしたか…。はは。是非、楽しんで。」

真宮、その声に、ニコリと、
「えぇ。はい。…ありがとうございます。」
一拍置いて、
「あの…、社長…、ここには…。」

梶、にこやかに、
「えぇ。ちょっと…連れもおりまして…。連れの方が、こちらの店主と…。」

真宮、目をパチクリとさせて…。すぐさま頭の中で、
「…連れ…。店主と…。」
そして梶に、
「あ、あ~~。はい。そうでしたか…。」
頭の中で、
「…兄貴と何か…???」

梶、真宮に一礼をして、
「それでは…、わたくし…。」

真宮、丁寧に梶に一礼を、
「失礼いたします。」

ふたり、共にその場を…。


歩きながら梶、小さく、
「ジョエル。トラディショナル事業部、歓迎会…。」

真宮も部屋に入りながら、小さく、
「店主と何…???」
そして、自席に。

すると…、今度は小埜瀬のスマホに。

小埜瀬、
「うん…???」

真宮、
「おっと~~~。」
頭の中で、
「…おいでなすった。」

小埜瀬、画面を見て、
「あっ。おぅ…???」








好きになれない。   vol,123.  真宮のスマホに1本の電話。

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